小作農地とは
農地の所有者である地主が、小作人と呼ばれる農民に農地を貸し、その農地で小作人は耕作をし、耕作から得られた収入で地主に小作料(農地の使用料のこと)を払うための田畑のことです。
小作農地と相続対策の処分について
さらに明治時代には、田畑永代売買禁止令が廃止された代わりに、地租改正が行われ農地に税金が課せられるようになりました。そして税金を払えない貧しい農民は裕福な農民に土地を売って、次第に小作人となっていきました。
秀吉の時代に太閤検地が行われ、農地の所有者は「耕作する農民」と制度化されました。 江戸時代には、幕府によって「田畑永代売買禁止令」が出されました。内容は、農地を永久に売買してはならないという意味です。これは、裕福な農民が貧しい農民から土地を買い集め、農業社会が崩壊するのを防ぐためにとられた制度です。
ここでは相続対策としての処分方法を説明します。
(1)小作人に売却
小作人が地主へ金銭を払い、地主から小作農地を買い取らせる方法です。しかし、地主は譲渡所得税を払わなければなりません。
(2)小作人に離作料を払い農地を返してもらう
地主が小作人から小作農地を返してもらう方法です。この際には「離作料」というのを地主が払うのが一般的です。離作料とは小作人の失業補償金のようなものです。
尚、離作料は農地価格の4〜5割が相当とした判例(過去の裁判の実例)があります。
(3)共同で売却
地主・小作人の双方が、共同で小作農地を売ります。この場合は、両方に譲渡所得税がかかってきます。
このように小作農地は、貸す側借りる側のどちらか一方が強くならないように制度化されています。